H27.First Grade
episode❶自己紹介
「じゃあ次、如月さん自己紹介お願いしますー。」
いやいや、自己紹介の前に「如月さん」って呼んだらもうクラスのみんなが如月さん=私って理解しちゃうじゃん、そしたら私が改めて如月ですって名乗る必要なくない?
なんて事、みんなの前で言ったら私のキャラ作りに大きく影響がでそうだから胸にしまっておく。
「はい、
うん、クラスの自己紹介はこんな感じでいいだろう。とりあえず当たり障りなく言っとけば問題ない。ちょっとはっちゃけた感じにするか迷ったけど、新学期早々ウザがられてもしょーがない。
「はい、じゃあ今から如月さんに質問タイムー」
だぁかぁらぁ、そんなのいちいち全員分この時間でやんなくても休み時間とかにみんな勝手にわちゃわちゃ語り合うでしょーよ。全くもって先生の考えていることが理解できない。あ、あれか、その語り合いに参加出来ないぼっちのための時間か。まぁ、そんなぼっちはこの時間でみんなの前で質問なんて当然できないだろうけど。
「あのさー、俺さ、まとよみ小?ってとこ聞いたことあるけど、あそこの漢字むずくね?ちょっと黒板に書いてちょー」
で、でたぁぁぁぁぁぁwwwwwww、新学期早々オレオレ系男子ぃぃぃぃぃwww。なんで話した事もないのに上から目線www。
「あ、はーい。」
いろいろこいつに言ってやりたい節はあるが、とりあえずすごすごと黒板の前に立って漢字を書いてみせる。
「え、すごーい。超ムズい漢字なんだねー。そんなの書けるって頭いいんだねー!」
あ、でた、お嬢様系上から目線女。さっきのオレオレ系男子の彼女かなんかかな。ま、どうでもいいけど。
「い、いえいえそんなことないですよ~」
確かに「鵠讀」って漢字は難しい。でも、自分の小学校の漢字くらい書けるわい。それより今の女のネームプレートに書いてた漢字の方が難しそうだった。いわゆるキラキラネームってやつだ。もう忘れたけど。
「はーい、如月さんへの質問はそのくらいで打ち切ります。では次、木更津さん~。」
あ、終わった。クラスを牛耳りそうな男と女を知れたからそこそこ意義のある時間だった先生ありがとう。てか、こんな進学校でもああいうタイプっているんだなぁ。
虚偽感と虚無感に溢れた空疎な世界で何を想ふ… 如月紅🌙*.。 @Prominence
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