「完璧なセカイ」への疑問と反抗

システム──E-terが管理する完璧で幸福なはずの世界。その世界で最も「価値の低い存在」として望まれた女性。
全てを諦めていた彼女の前に現れた謎の少年の正体とは?そして彼との出会いによって彼女が何を望み、何を得て、何を失って、何を選択するのか──

ありとあらゆる選択肢を奪われたディストピアを生きる人々の視点、「そう在る事」が当たり前の世界で生きる彼らのよりリアルな「感情」。描き出されたそれが、この物語の中に私たちをぐんと引き込んで離さない感覚は、正しく「パスタワールド」の際たる特徴というべきでしょうか。深く練り込まれた世界観と張り巡らされた伏線は、一度読んでしまえばもう目が離せない。
兎も角も続きが楽しみで仕方ない、そんな作品です!