税金が大きく減額されたようです
四葉くらめ
税金が大きく減額されたようです
この国の若者は随分と活気に溢れていますね。何があったんですか?
――税金が大きく減額されたんです。今まではどれだけ働いても、たくさん税金に持って行かれてしまって、働く気が失せていました。でも、働いたらその分良い暮らしができるとなれば話は変わります。皆、頑張り出したんです。
なるほど。税金の減額――ということは何か無駄な部分の効率化などをしたのでしょうか。
――そうですね……まあ、ある種の効率化と言えるかもしれませんね。多くても仕方のない部分を削ったといいますか、あまりいつまでいても仕方のない人たちに出て行ってもらったといいますか。
しかし、それで不利益を被る方々もいるのでは?
――もちろんいます。政策に伴ってある法律が施行されたのですが、そのときはその法律の対象となる人たちがそれはもう凄い勢いで反発していました。
『していた』というと今は落ち着いたのですか?
――まあ、そうとも言えるかもしれませんね。といってもまだ反発している人は大勢いますけど。
具体的にはどのような人たちが反発しているのですか?
――今ですと、79歳の人たちが最も反発していますね。連日、国会議事堂の前に集まって抗議の声を上げています。
それは私も見かけました。あれは反発というか、もはや暴動が起きかねない勢いでしたね。
――ええ、まあでも大丈夫でしょう。
というのは?
――あと一年以内には彼らも静かになりますから。法律の対象となるので。
税金が大きく減額されたようです 四葉くらめ @kurame_yotsuba
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます