少女の意識を鋭くえぐる的確な言葉の迫力が見事です。
- ★ Good!
「じゃあ、またね」
走り去る、その足取りの軽さが嫌いだ。晴れた空に感じる、どこか爽やかな気持ちが醜い。どうしてこうなってしまったのか、それに気付かずにいられるほど、きっと私は幼くなんてない。ひとつひとつ〝卑怯〟を積み重ねて、そのうえから溶かしたチョコレートをかけるみたいに、たっぷりたっぷりの嘘をまぶす。
(本文より)