多くは語らない。ただ異界にあるものは、顔を誇示し続けるか、その顔を異界のものとして隠さないといけない。
迷い込んだ不思議な場所で、自分のお面を探す少女と、それを助ける狐面の少年。ここはどこか? なぜいるのか? わからないことだらけの中、お面と記憶を探す少女たちとともに、どんどんと物語の中へ惹き込まれ、最後まで楽しく読むことができました。胸を衝くラストまで、どうぞお見逃しなく。
すごく好き……語彙力の低下が著しくなるくらいすき……お祭りのお店が並ぶ光景が目に浮かぶようで、現実にも起こるんじゃないかとわくわくしました。
祭の日の夜は、光と闇が溶けあう時間。まして鳥居の先にあるお堂付近であればなおさら……。ハレとケの混ざり合う空間で、子どもたちは彼我の境をさまよう。とても幻想的な物語です。
自分の世界はお面の内にあるのか外にあるのか