自分を信じなさい

おとぎ話調で語られる文体ですが、淀みなく流れる文章が美しいです。
その流れに乗って一気に物語の中に引きこまれました。

「新月の魔女」の呪いを受けて、その呪いに心を支配されないように、姫は「満月の魔女」からもらった千個の鈴を身につけなければならなかった。
全身に鈴をまとう「鈴鳴り姫」の本当の姿を見る事が出来るのは、満月の夜に鈴を磨く「細工師」の青年だけ。

姫の本来の姿を見て恋に落ちる、細工師の青年の心理が巧みです。
しかもそれが後に起こる悲劇へとつながります。
呪いによって変貌する姫。
細工師の最後の選択が、真実の愛というとても美しい輝きを放ちます。


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