リアルと虚構の境目を超えて

現実を侵食してくるタイプのホラーです。
疑わしいと思うなら読んでみてください……ただしどうなっても、保証はできません。現に大澤先生のTwitter、今大変なことになってます。

こんな連載作品、過去にありました?
しかも公式の連載ですって? 



もうすごい。私はこの作品をリアルタイムで読めて幸運だったと思う。
ものの売れない昨今、物語を消費することに意識が向いている。私たちはプロダクツの向こうの物語を消費している。

物語消費には弊害もある。炎上、あれも物語消費の悪しき一面だと思う。火中の人物に物事の悪い面だけを押し付けて消費している。感動ポルノもそう。対象を切り取って、都合のいい物語を押し付け、ものを買うように消費する。私たちの感覚はそのことに慣れきって麻痺してしまっている。

けれども、この物語の主役は、消費されることを拒んだ。
物語ること、その恐ろしさを知ったうえで、それを拒んだ。

彼女に手足を与えたのは作者だ。なにも破綻していない。これはそういう”物語”なのだと、私は思う。

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