ラスト数行で、景色が変わる

SFショートショートを集めた短編集。

近未来が舞台ですが、どちらかといえば悲観的な未来像です。

科学の進歩や記憶、環境、人類そのものがたどり着く先を、意外な展開を交えながら、淡々と読みやすい文章で書かれてあり、ちょっとした休憩時間にでも、一話ずつ読んでいける内容です。

悲観的とはいえ、絶望とは違う余韻のあるラストが多く、ハッピーエンドではないにしても、心にじんわり染みてきます。

個人的に気に入ったのは「ウサギの餅つき」と「被験者の憂鬱」。
あと「最後の花火」も全体に流れる哀愁ある雰囲気が良かったです。

とはいえ、すべて面白く魅力的な作品群です。
単純じゃなく、ひねりのあるオチが好きな人にもおすすめです。




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