グリーンランプの灯し方

長い宇宙放浪の果て、大型宇宙移民艦メソポタミィは、とある惑星に辿り着く。
それは故郷の惑星とは似ても似つかず、しかし居住が期待できる場所だった。

現在は、調査が行われている最中だが、それが終われば、全ての人々は解凍され、地に栄える時代が来る。

メソポタミィ生まれの青年ローヴェル・フルゴーリは、友人の〈鯨〉にそそのかされ、メイドロボを雇うことに決める。
彼女の名前はレイチェ・ルメイユ――観測用衛星としての生を終え、第二の人生を歩み出したところだ。

そしてこの出会いが、二人にとってだけでなく、
人類の歴史にも大きな意味を響かせることになる。

この物語は、そんな彼と彼女たちが、この惑星で雪解けを待つ話だ。
その混沌とした春を越え、そして盛夏の鮮やかな緑色を求める物語。

要するに、これは一つのラブ・ストーリーだ。