夢中の牛

PURIN

夢中の牛

変な夢を見た。

人間の身体に茶色の牛の頭を持った化け物が、ベッドで寝ている私に徐々に近づいてくる夢だ。

一歩ずつ、ゆっくりゆっくりと。

最初は何とも思わなかったが、確実にそいつはこちらにやってくる。

恐怖を感じているのに、どういうわけか身動きが取れない。


ついに化け物はベッドのすぐそばにたどりついた。両手を私の顔に向けて伸ばしてくる。

こわいこわいこわい。

でも、その光景をただ見つめることしかできない。


ハッと目が覚めた。

起き上がって自分の身体を確認してみる。何も異常はない。

ただの夢だったんだ。良かった。


だけど、何かがおかしい。

起きてから、何を食べても美味しくないのだ。


ふと庭に目をやる。

青々とした草が茂っている。

裸足で庭に飛び出し、四つん這いになって草を食んだ。

おいしいおいしいおいしい。


「何やってるの!?」

近所の知人の叫び声がした。

返事をしようと、顔を上げて声を出した。

「モー」という、聞き慣れない音が、私の喉から響いた。


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夢中の牛 PURIN @PURIN1125

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