06 迷惑

平和主義だから喧嘩は嫌

他愛ない会話でも言葉選びは慎重に

誰かを貶める話は同意しない

それでも面と向かって正義を振りかざすことはしない

曖昧な表情をつくって

それとなく他の話へ誘導して

内心ほっと胸を撫で下ろす


だから貴方の乱入は心底歓迎しない

無邪気で許されるものではない

どうして公衆の面前なのか

どうして自分に向かって言うのか


それが走り出したらどれだけの風が吹くか

想像力がないと吐き捨てたい

自分がその場でどうやって答えられるのか

想像力がないと罵りたい


どうして、貴方は誰かの想い人なのか


まっすぐこちらに来なくていい

無数に刺さる視線に抉られる

ほどけた口で言わなくていい

騒々しい無音が襲ってくる


こんなにも迷惑

だから好きでもなんでもない

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