09 紙とペン

自分を罵ることで奮い立たせる

負けるものか

何と戦っているのかわからない

理不尽な世の中?

そんな壮大な話じゃない

たとえばすぐ右隣のあの子

たとえば毎朝横から割り込んで電車乗るオバサン

私の頭の上で新聞紙広げるサラリーマン

すべてイラつくけど武器は見せない


自分のダメなところを書いて書いて

文字を並べて痛感する

こんなにも私は壊れている人間だ

でもそれに気づける優秀なロボットだ

自らの欠陥を補って

自らのミスをカバーしようとする

自己回復はただただ虚しい


文字として形を与えると

不思議と見えない感情は存在感を増す

そして語りかけてくる

向き合うときは今だから

今夜も紙とペンを手元に

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