Secret 013 シトラス
Secret 013 シトラス
「蕾音さん、ちょっと待ってね。ここだけアップするから」
「では、お先に失礼いたします。倉橋さん」
カツコツとヒールの音を鳴らして、誰もいない会社から去っていった。今、マシロデザインカンパニーにいるのは、誰なんだろ? あの三上係長もいないとつまらないわ。
「ういー」
しまった。酔っぱらいのおじさんみたいになっちゃった。性格には、フランス語の『はい』のつもりだったのに。
私は、手を振って椅子をデスクに向かせた。
えーと、高さを360pxにした桜柄の大きなタイトルに、その表示サイズを指定してと。大きな画像も作り直し。あは。作るのも楽しいから、いいわね。ちょっと遅くなってもいいや。派遣は、ラスト帰宅が私のセオリーだから。
「あーあ、彼氏でもいたら、今日のお仕事、報告できたのにな」
――――――――――――――――<index>
<!-- ヘッダ画像 -->
<div id="img_index">
<img src="title06.png" alt="マシロデザインカンパニー">
――――――――――――――――
――――――――――――――――<style>
#img_index {
width:960px; height:360px; /*トップページのヘッダ画像の表示サイズを指定*/
margin:5px 20px; /*マージン*/
}
――――――――――――――――
参照
(http://uhi.sa-suke.com/md039.jpg)
やったね。万歳だわ。『新着情報』が重ならなくなっている。それに、大きいトップ絵もすっきりしたわ。独り言もいいでしょう。
「どこかにいる私の彼氏さん、褒めてくださいね」
ディスプレイに祈ってどうするよ。
「がんばっているな、倉橋さん」
デスクトップパソコンを覗く、逞しい手がデスクをつく。胸がどきんとした。男性からは、コピー取りの用事しか声をかけられないから。主に係長ね。
でも、直ぐに室生さんだと分かった!
その瞬間、地面がつき上げるように浮いた! 胸が高鳴ったので、立ち眩みだと思ったわ。よく、恋は目眩や立ち眩みで始まるって聞くし。
「倉橋さん! デスクの下に隠れられるか?」
「分かりました」
ああ、これは三日前にこれからも余震が続きますとテレビで解説していた、それかも知れない。その間も、縦にがんぐんと揺れ続ける。
「室生さん。先程帰宅した室生蕾音さんは? 大丈夫でしょうか?」
「ハイヤーが下につけてある筈だ。家も近いし大丈夫だろう」
地震は、緩やかに震度を落した。今日みたいな日は、給湯など使ってなさそうでよかったと思う。
「震度五位はあったな。あれ? 倉橋さんは、地震苦手なの?」
室生さんが、私の肩を支える。え? じゃあ、次はキッス? 三十一歳の初陣となりますが。いえ、戦いませんよ。
「ちょっと、私の誕生日にトラウマがありまして」
「誕生日にそんなことが……。辛かったね。おさまったようだけれども、デスクから出ようか」
なーんて、甘いのはひとときだけで終わったわ。いきなりキスしたら、変態だしね。
デスクから出ると、思ったよりも、乱れていた。デスクトップパソコンは無事だった。けれども、これでは明朝に蕾音さんが出社したら、驚くだろうな。周囲を片付けるか。書類など散らかった部屋を片付けようとしたら――。
同じ用紙にがんと大きな背中があたる。きゃあ! ふがふごになっちゃう。
「ふがあ。室生さん、大丈夫です。自分でできますから」
「いや、こんなに散らかすのは、蕾音くらいだ。兄が責任をもつよ」
室生さんって、妹思いなんだね。
「どう? 仕事は進んだかな?」
「ええ、次の段階にいくところです」
そうだ。室生さんがここのリーダーだったわ。
「見せてもらえるかな? 電気は無事だったみたいだし」
「はい、画像も三枚作ったばかりなので、入力してみますね」
インフォーメーション、インターネットフォーメーション、インフォーメーションっと。
――――――――――――――――
<!-- インフォメーション -->
<h2>新着情報</h2>
<h3>新着情報のご案内</h3>
<p>
<img src="wa01.png" alt="新商品紹介のイメージ画像">
食器のご案内です……。
</p>
<h3>東京水道橋展示場</h3>
<p>
<img src="wa02.png" alt="展示場のイメージ画像">
東京都の都営マロ線……
</p>
<h3>カタログのご案内</h3>
<p>
<img src="wa03.png" alt="カタログのご案内のイメージ画像">
下記の電話番号……。
――――――――――――――――
================
┃ ■■■■ ┃
┃ ―――――┃
┃■ ┃
┃■ ┃
┃■ ┃
================
参照
(http://uhi.sa-suke.com/md040-1.jpg)
(http://uhi.sa-suke.com/md040-2.jpg)
(http://uhi.sa-suke.com/md040-3.jpg)
「その、『md040-1.jpg』がね、そろそろお客様もいらっしゃるかしらと、カウンターをつけてみました。コーヒーカップのです。『md040-4.jpg』で、落ち着いた道の家にしたのですよ」
参照
(http://uhi.sa-suke.com/md040-4.jpg)
(http://uhi.sa-suke.com/md040-2.jpg)
(http://uhi.sa-suke.com/md040-3.jpg)
[これから、画像を左に寄せようと思いました」
――――――――――――――――<index>
<img src="wa01.png" alt="新商品紹介のイメージ画像"> class="infoimg_index">
<img src="wa02.png" alt="展示会への出展のイメージ画像"> class="infoimg_index">
<img src="wa03.png" alt="カタログご案内のイメージ画像"> class="infoimg_index">
――――――――――――――――
――――――――――――――――<style>
/*============================================
ヘッダ画像
============================================*/
・
・
.infoimg_index {
width:200px; height:150px; /*画像の表示サイズを指定*/
margin:0px 0px 20px 20px; /*マージン*/
float:right; /*画像を右寄せにする*/
}
――――――――――――――――<index>
参照
(http://uhi.sa-suke.com/md041.jpg)
「あれ? どうしたんだろう? 『 class="infoimg_index">』がはみ出ていて、画像が左に寄らないわ』
「どうした?」
あ、やんわりとシトラスの香りが……。室生さんって、きっと素敵なシャンプーを使っているのね。
「こ、こここ」
「ニワトリさんか?」
心の臓がばくばくいって、どうしようもない。だって、私の初恋の先生もシトラスの香りがしたから。
今日は、眠れそうにないよー。
――――――――――――――――
ここは、原稿が何故かぶっとんでしまったので、公開したつもりができておらず、しかも文章が変わっていました。皆さん、バックアップを取りましょうね。 静香より
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます