吸血鬼は慈しむ

 ですが先に述べておきたいのは、これは優しい吸血鬼の話ではなく、普通の吸血鬼の話だという事です。

 何をして普通と言っているのかは、読んで頂かない事には、と言うしかありませんが、あなたが最初に想像した「普通」とは違っています、たぶんね。



 少女の視点で、魔族の視点で、旅芸人の視点で、城の使用人の視点で描かれる "はらぺこおまじない少女" タシャの最後の九日間。



 その九日間を見届けて読むエピローグの美しさは格別です。
 人ならざる者のとんでもなく甘いひとしずくを、ご堪能あれ。

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