吸血鬼は慈しむ
- ★★★ Excellent!!!
ですが先に述べておきたいのは、これは優しい吸血鬼の話ではなく、普通の吸血鬼の話だという事です。
何をして普通と言っているのかは、読んで頂かない事には、と言うしかありませんが、あなたが最初に想像した「普通」とは違っています、たぶんね。
少女の視点で、魔族の視点で、旅芸人の視点で、城の使用人の視点で描かれる "はらぺこおまじない少女" タシャの最後の九日間。
その九日間を見届けて読むエピローグの美しさは格別です。
人ならざる者のとんでもなく甘いひとしずくを、ご堪能あれ。