プログラム

ある二人の男女の話。
2058年。
個人番号だけでなく、生まれた時から血液やDNA、あらゆる人体の情報を管理されている社会。

AIが飛躍的に普及し、シンギュラリティといわれる技術的特異点を迎えてから13年、人間はAIと共存し、便利かつ創造的な時代を歩んでいた。
そんな時あるAIが興味深い仮説を立てた。
「人類史で起きた人口が大幅に削減される数々の厄災は意図的に起きている」
その理由はこうだ。
ある一定の世界人口に達した時、特殊な遺伝子を持つ者が二人現れる。
彼らは互いに見えないプログラムで惹かれあい、出会う。
彼らが繋がる時をトリガーに地球が人口削減プログラムを作動させている可能性があるという。

こんな突拍子もない話に巻き込まれていくのは普通のカフェ店員の吉岡と学生の川原であった。