第4話

色々な事が起こったその夜。

俺は飯を食い終わって。

風呂に入ったり、歯を磨いたり、勉強したりした。

その為に、あっという間に夜遅くになり。

午後11時31分だ。

明日も学校が有るから早く寝ないといけないな。

俺はその様に思いながら。


「.....ふああ.....」


スマホの時計を見てアラームを設定したのを見て。

さてさて、寝るかと決断して。

布団にモゾモゾと入った。

そこで俺は妙な違和感に気が付く。

布団を嗅ぐ。


「.....何でこの布団.....あいつの匂いがするんだ.....?」


よく見ると。

栗毛色の髪の毛が何本か落ちている。

その事に俺は何となく変な想像をしながらも。

あり得ないと思うが。

と思いながら。

そのまま、横になる。


「.....あいつめ.....まさかな.....」


そして俺は。

そのまま寝てしまった。



「.....」


「.....」


ばったり会ってしまった。

はるか、と、だ。

いやいやいや、またかよ。

何?俺達をばったりこんな感じで会わせるのが好きなの?神様。

俺は天を仰いで。

運命の神様を妬んだ。

しかし、何故か。

今回は目の前の義妹は。

眉根を寄せて睨んでは居たが、いつもの眉根を寄せてでは無い。

困った様な複雑な。

とにかく、なんとも言えない顔付きで、眉根を寄せていた。

俺は見開く。


「.....」


「.....ゴクリ.....」


俺は冷や汗をかきながら、はるかを見る。

そのお返しと言わんばかりに、はるかも細目で見てくるが。

途中で、耐えられなくなったのか。


トントントン.....。


階段を降りて行った。

俺はその事に。

ため息を吐いて。

そして俺も降りて行く。



『誘拐犯は何を考えて誘拐したのでしょうか?鈴木さん.....』


「何だ。今日は普通だな。お前ら」


俺達は朝飯を食いながら。

親父の言葉を聞いた。

そうか?

俺はクエスチョンマークを浮かべて。

考える。


「思春期ですかね〜」


「.....そうか?」


納得する、両親。

まぁ、そんなこっちゃ無いんだけどな。

そんな会話の横で。

全くと言っていい程にはるか、が無口だ。

うーむ、気になるな。

思いつつも。

時間が無いので、飯を食った。



「.....ふああ.....」


全くよぉ。

勉学という人類が一方的に決めた様なクソ野郎は。

一体、いつまで続けなくちゃいけないのかね。

俺は1人、その様に文句で思いつつ歩く。

因みに今日は南は練習だ。

その為、本日、俺は1人で登校していた。

真正面には仲が良さそうな生徒の奴らが居る。

何とも妬ましいもんだ。

俺にはそんな奴は居ないからな(白目)


「.....」


『.....バカァ!!!!!』


しかし。

本当に何をやっていたんでしょうね。

我が義妹は。

あんなに俺のことを嫌っていた癖して。

忍び込んで、なおかつ俺のR18本を読むなんて。

なんつうか、変態性があったのか?

はるかって。


「あ。先輩!」


「.....」


それにベッドのシーツの匂いといい、変な状態だった。

真面目に俺の妹は何をやっていたのだろう。

何か、良からぬ妄想が広がるんだが。

困ったもんだ。


「ちょ!先輩!?完全無視ですか!」


南の大会だが。

何だか、何時も何時も連れて行っていた、はるかを連れて行くのが気が引ける。

あの件があったし。

さて、どうする?

無茶苦茶に接しずらいな。


「先輩!!!!!」


ゲシィッ!!!!!


「グアア!!!!?」


イッテェ!!!!!

痛い!!!!!

いやいや、何だ!?

何が起こった。

唐突なる激痛だ。

天変地異か!?

諸行無常か!?

いやいや、マジで訳わからねぇ!!!!!

俺は足を抱えて涙目で。

背後を睨む。

そこには。


「.....あ、やっとこっち向いてくれましたね。せーんぱい♡」


女子。

スカート的に、だ。

何だこいつ!


「何だお前は!」


「もう。先輩ったら。私の事、忘れたんですかぁ?」


眉根を寄せて。

その女を見上げ、良く見た。

顔立ちはとても可愛い。

茶髪の長い髪に。

膝上のかなり短いスカートに。

ブラウスか、胸元が際どく開いている。

そして蝶々のヘアピンで前髪を止めている。

制服の常識を全くと知らなそうな女の子。

いやいや、誰だよ。

全く知らん。


「.....?」


俺は痛みが減った足で。

立ち上がり、その女の子をジッと見つめる。

その視線に少しばかり女の子は恥ずかしそうに悶えて居た。

駄目だな。

全く分からない。

俺はクエスチョンマークを浮かべて首を傾げる。

これがクイズ番組なら簡単にヒント下さいって言うだろうな。

すると、女の子は俺がギブアップしたとに認識したのか。

悲しげにため息を吐いて、話し出した。


「先輩。以前は不良から助けてくれて.....本当に有難う御座いました。私、こんな服装だから.....不良女に間違われるんです」


「.....あ!もしかして君.....」


その言葉でようやっと思い出したわ。

学校の途中の通学路のビルの隙間。

そこで見た事件を以前、警察に通報した事が有る。

この女の子が不良どもに下着を脱がされて。

なんかいけない事をされそうになっているのを見たから。

それで警察に通報して助けてやったんだ。

とは言え。

俺自身が襲いかかった訳じゃ無くて。

スマホで不良どもに聞こえる様に大声で叫んで110番しただけなんだけど。

こいつ、覚えてやがったのか?

俺は驚愕しながら。

女の子を見る。

その女の子は俺にウインクして話した。


「.....もう!思い出すのが遅いです!私です!先輩が思い出したその時の女の子、諸星さゆゆです!」






















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