第2話 例え、違う形で出逢えたとしても私達はズッ友deathよ?


「違う形で……出会え、たと、しても……私達は、きっと……ズッ友、だった……筈(がくっ」


テスト終わりの土曜日、約束通り香織とデートに来ていたーーのだが、妙なフラグを建てたかと思うと、口から赤いものを垂らしガックリと項垂れる。


「彼氏彼女の関係だよ」

「(むくり)こう言うのは雰囲気が大事では?」

「公衆の面前ーーと言うか激辛料理食べたいって言ったの香織だよね?」

「この麻婆担々麺、死にそうな程辛いです」

「麻婆担々麺を食べただけでぶっ倒れた人は初めて見たよ」


口の端から赤く彩られた担々麺を垂らしながら、香織がやたらテンション高めに復活した。このモードの香織は少々フラグが乱立し易いので、要注意だ。いや、信じてないのだけどね?警戒というか、何というか。


「ところで、(ちゅぱっ)この後(じゅじゅっ)なに……んんっ、しに……(ちゅっ)行きます?」

「食べながら喋るの止めようね!?」


行儀悪いしほら!周りの男性陣の姿勢が変な感じ!!


「で、この後どうします?」

「え、映画館に行くんじゃないの?ほら、あのーー」

「MY NAMEですか?」

「そうそう、観に行くって」

「瀬野さん」

「何?」

「私、流行りに踊らされるのはどうかと思うんです」

「プラン考えたのって確か香織だったよね」

「ですから私、シン・ゴリラ観に行きたいです!」

「そっちも流行りだからね」

「では!間を取って魔術師プリチアですかね」

「僕の都合と羞恥と年齢も考えて欲しいな」

「ふっふっふっ、そう言っていられるのも今のうちですよ」

「……もしかして、MY NAMEよりこっち観たかった?」

「……NO COMMENTでお願いします」

「流暢!」


まあ、年齢も性別も忘れる位面白かったとだけ表記しておく。周りの女児とその保護者達からは変な目で見られたけど。


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