経験者はより共感できる

しょうがない。
許してあげないといけない。
認めてあげないといけない。
相手を理解してあげられない自分が悪い。
理解してあげないとかわいそう。
私は相手のことを好きでいなくてはいけない。
恋人の理解を得られないことになったらかわいそう。

経験したことない人からしたら、「すぐに別れたらいいやん」ってなることも、当の本人からしたら何故か自分ことを責めがちになってしまう。

このような場合、新しく好きな人ができて初めて、今までの相手への「好き」という感情が「好きでいなくてはならない」という自らの縛りからくる偽りだったことに気づくことができる。

主人公の心情の描写がきめ細かく、気持ちの移り変わりも経験者にしか理解できないようなリアルさがある。

かつての自分に思いを寄せ、懐かしみ、主人公を応援したくなった。

このレビューの作品

炭酸水と犬

その他のおすすめレビュー