天使の双眸、麗しき異物

 部屋に唐突に落ちていた天使。それは完璧と言えるほどにに美しく、乳と蜂蜜を貪り、「私」の部屋に存在を続ける。意図も目的も、ともすれば生命あるものかすら不明な天使。暴こうとも覗こうとも探ろうとも、何一つとして天使の本質には至らない。
 翼持つ麗しき何者か。正体が何であろうとどうでもいいことだろう。だからこそ彼は天上的に美しいのだ。