第3話


新しいクラスになって数日が過ぎた。私はまだ教室に馴染めないでいる。とは言っても、クラス全体がそういう雰囲気なのは幸いだった。まだ新入生同士でも打ち解けている人はほとんどいなくて、相変わらず休み時間は静かだし、昼休みは各々でお弁当を食べてる。今のうちにクラスに馴染む方法を模索しなくてはいけない。だけど私は………。

「ねぇ梨加、自分のクラスでお弁当食べたらー?」

「まだクラスに馴染めてないの!初日の小由里のせいでみんなに怖がられてるんだからね!」

2年生の教室に通いつめていた。

「それは謝ったじゃん。でもそんなこと言ってられないよ?どうするの?これからもずっと2年生の教室に入り浸るの?」

「それは…嫌だけ…嫌じゃないけど、ダメ………だと思う。」

「それなら私が良い人紹介してあげる。」

「良い人?」

「そう。同類。」


「どうもぉお、新町でぇえす。」

「はじめまして。浮田です…。」

「ていうことで、こちら新町さん。私と同じ部活の3年生。梨加と同じで1年生で留年したんだってうける。」

「うけるな。」

「あはは…。」

高専にはとある暗黙のルールがある。それは先輩という呼び方をしないこと。理由はすごく簡単で、いつ留年して同じ学年になるか分からないからっていう厳しい現実。新町さんは制服はヨレヨレで眠たげな顔をしてて、なんだかだらけた風貌をしてた。

「それでなんだっけぇ?クラスに馴染む方法だっけえ?懐かしいなあ俺も最初浮いてたなあ………。でも女の子に俺と同じ方法でいいのかなぁあ?」

話し方も何だかしつこい。

「大丈夫ですよ〜浮田さんみたくなっちゃえはいいんですよ。」

「いいのかよそれで。」

新町さんは自分が変わってることは自覚してるんだ。あと、たまに普通に喋る時があるのが少しおかしかった。

「どうしたら馴染めるのか、教えてください。」

「よぉし。わかった。いい?よく聞くんだ。」

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同じクラスの1つ下の彼 やべ @cubeym0520

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