宇宙人視点から見る生き物を飼うことの大変さ。

ペットを飼いたくなったけど、飼い方の本などを見てみるとやってはいけないこと、注意しなくてはならないことばかりで実際に買うのは大変そう……。そんな風に思ったことのある人も多いでしょう。

本作はそんな生き物を飼う難しさを宇宙人視点から描いたマニュアル。そして今回飼われる対象となるのは我々人類……!

普段は人類に最適化された社会で暮らしているため、なかなか気づきませんが、こうして宇宙人視点から見ると人間という生き物はとにかく面倒くさい!
酸素を与えないとすぐ死ぬし、ほんの数千ケルビン気温がズレるとすぐ死ぬし、重力も重すぎず軽すぎず調整しないといけない。毎日怠惰に寝てばかりだし、そのくせちゃんと寝床も用意しないとすぐに体を痛めてしまう……。

こういう宇宙人視点から人類を見ることで、当たり前に感じていた人間の生態の特異さがよくわかると同時に、ペットを飼うという行為が大変不自然なことであることに気づかされ、少し考えさせられるものがあります。

また、ときどき拉致されて飼われる人間視点の話も挿み込まれるのですが、飼われた反応が人間によって様々でその様子もまた面白く、人間を飼育する予定はなくても、ペットを飼っている・ペットを飼いたいという人には是非オススメしたい作品です。


(「さまざまなペット」4選/文=柿崎 憲)

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