このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（506文字）

ペットを飼いたくなったけど、飼い方の本などを見てみるとやってはいけないこと、注意しなくてはならないことばかりで実際に買うのは大変そう……。そんな風に思ったことのある人も多いでしょう。

本作はそんな生き物を飼う難しさを宇宙人視点から描いたマニュアル。そして今回飼われる対象となるのは我々人類……！

普段は人類に最適化された社会で暮らしているため、なかなか気づきませんが、こうして宇宙人視点から見ると人間という生き物はとにかく面倒くさい！
酸素を与えないとすぐ死ぬし、ほんの数千ケルビン気温がズレるとすぐ死ぬし、重力も重すぎず軽すぎず調整しないといけない。毎日怠惰に寝てばかりだし、そのくせちゃんと寝床も用意しないとすぐに体を痛めてしまう……。

こういう宇宙人視点から人類を見ることで、当たり前に感じていた人間の生態の特異さがよくわかると同時に、ペットを飼うという行為が大変不自然なことであることに気づかされ、少し考えさせられるものがあります。

また、ときどき拉致されて飼われる人間視点の話も挿み込まれるのですが、飼われた反応が人間によって様々でその様子もまた面白く、人間を飼育する予定はなくても、ペットを飼っている・ペットを飼いたいという人には是非オススメしたい作品です。


（「さまざまなペット」４選／文＝柿崎　憲）

大抵の宇宙人ものは侵略、反抗、勝利が基本
だが普通に星間航行できる文明に勝てるわけないわな

なかなかに怖い作品だと感じました。人間が普段行っていることの残酷さが、この作品を通じて見えてくるように思います。
「地球人と共生可能な生物」の章が一番好きでした。予想外の展開でよかったです。
5つの残されたメッセージが、作品にさらなる深みを与えているように思います。すらすら読めるので、ぜひ覗いてみてください。

人間の飼育方法について調べていた時に出会ったこのマニュアルですが、初心者にも分かりやすいように説明してくれているため、
私の様な細胞生物を飼うのが苦手な⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎でも人間を殺してしまう事なく順調に飼育が出来ています。
とくに天然種の飼育は難しいと聞きますが、このマニュアルがあればそうそう困ることは無いと思われます。
人間を飼育する事に興味がある方は是非一度ご覧になってみて下さい。

地球人の飼い方マニュアルはたくさん出ていますが、迷ったらまずこれがお勧めです。
初心者がつまづきやすい容器内の設定はもちろん、あれば便利な道具まで細かく書いてあります。

特に地球人の生態についての項目は素晴らしいものです。
以前から飼育していましたが、まさか彼らの行動にあんな意味があったとは驚きました。
翌日、早速スペースを用意したら何か芸術を始めました。
出来上がるのが楽しみです。

今は二人だけ飼っていますが、そのうち野生の捕獲にも挑戦してみたいと思います。
その時にまた本書を頼ることになるでしょう。
貴方のお手元に是非一冊、置いてみてはいかがでしょうか？