第3話 場違いな工芸品・オーパーツ
オーパーツとは、作中にあるように「場違いな人工物」という意味です。
それができた時代の科学技師や科学知識のレベルでは作れない高度な技術や知識によって作られた不思議な人工物、オーパーツ。
『オカルト少女』ではそんなオーパーツが数多く発掘されます。
今回はそれらのオーパーツの元ネタについて解説していきたいと思います。
◇恐竜のオーパーツ
『オカルト少女』の1話2話で出てくる恐竜のオーパーツ。実はこれにはモデルがあります。
恐竜は中生代(二億五千年前から一億8八千万年前)に栄え、六千五百万年前に絶滅したとされています。
ところが1945年、メキシコのアカバンガロから恐竜の姿をかたどった土や石の人形が沢山発見されました。
その後このアカンバロ土偶そっくりの遺物がおよそ百キロ離れた遺跡から発掘されたり、放射線年代測定でも、これらの遺物が紀元前1600年(約三千六百年前)から紀元前4500年(約六千五百万年前)の間という結果になりました。
しかし、考古学会は「古代人が恐竜を知っていたはずがない」とこれを否定しているのだとか。さて、真相は......?
◇遮光器土偶は古代の宇宙飛行士?
オカルト少女の中でも特にツッコミどころの多かったアイドルとオタクの回ですが、あの回でピペはアイドルの像をその大きな目などから宇宙人であると言い出します。
実はあのシーンは遮光器土偶が古代の宇宙飛行士だという説があることが元になっていたりします。
その特徴的な風貌から縄文時代や土偶のシンボルとなっている遮光器土偶ですが、この土偶は縄文時代に地球を訪れた宇宙人であるという説があるのだとか。
ただのデフォルメだという説が一般的ですが、果たして......?
◇ピラミッドの謎
4話でピペが東京タワーの模型をピラミッドと勘違いしますが、ピラミッドと言えばエジプトの大ピラミッドが有名です。
「世界7不思議」の1つであるギザの大ピラミッドは、内部に謎の空洞が発見された事でも話題になりました。
このピラミッドは、クフ王の墓として紀元前2560年頃に建築されたと考えられています。
しかしこのピラミッドからはミイラなどが発見されておらず、また東西南北を正確に指していること、オリオン座の並びを象られていること、円周率や黄金比などの高度な知見が用いられていることから「宇宙からの暗号説」なんていうのもあります。
また、この大ピラミッドがどうやって作られたのかも謎に包まれています。
実際にNHKが考古学者の間で信じられている作り方でピラミッドを作ってみたところ、人力や木や石を使った簡単な器具でピラミッドを組み立てるのは無理で、重機を使わないと無理だという結論にいたったそうです。
ちなみにエジプトの大ピラミッドは高さ約145メートルなのですが、これは東京の霞が関ビルとほぼ同じ高さです。
およそ三十数年前まで、この霞が関ビルが日本一高いビルだったことを考えると、いかにこの大ピラミッドが大きいか分かるでしょう。
もし東京タワーやスカイツリー、都庁などが後の時代に発掘されたら、やはりその建築方法はミステリーとなることでしょう。
◇空飛ぶ黄金シャトル
作中でピペは飛行機らしき遺物を見つけて古代の人が空を飛んでいたに違いないと主張しますが、実はこれにも元ネタがあります。
それがコロンビアで見つかった黄金シャトルと呼ばれる遺物です。
作られた年代は西暦500年~800年頃、飛行機やスペースシャトルのような形状をしています。
研究者の調べで非常に航空力学にかなった形をしていることがわかっています。
しかし、黄金シャトルとして有名な一体はかなり飛行機に似た形状をしているものの、同時に見つかった他のものは明らかに魚に見えるものもあり、考古学者の間では現地で捕れるナマズを象ったものだという説が有力なのだとか。
その他マヤ文明の水晶ドクロだとか古代パルティアの電池、コスタリカの石球、アッシリアの水晶レンズ、バールベックの巨石、ヴォイニッチ手稿など興味深い物が沢山あるので皆さんも是非調べてみてください。
▪️参考
『アトランティスの暗号』コリン・ウィルソン(2006)学習研究社
『オーパーツ こんなものがなぜ存在する?① 恐竜と人類は共存したのか?』南山宏(2002)岩崎書店
『オーパーツ こんなものがなぜ存在する?②古代の人は空を飛んだのか?』南山宏(2002)岩崎書店
『オーパーツ こんなものがなぜ存在する?③ 大ピラミッドは宇宙からの遺産か?』南山宏(2002)岩崎書店
オカルト少女と宇宙人に攫われた少年 ~ 水の惑星に沈む街 ~ 深水えいな @einatu
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