ワルシャワよ永遠なれ、その壊滅と鏖殺さえも   島野とって

 アキレスと亀

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883084265




 1944年8月1日、ドイツ軍に蹂躙されるポーランド、ワルシャワを舞台とする。

 主人公は廃墟と化した都市をさまよい、息絶えた兄を腕にした少女と出会う。彼女は奇妙な論理を使い、「兄は必ず生き返る」と主張する。


 アキレスと亀的な議論がなめらかに信仰の問題へと移行し、現実の歴史と未来の可能性が交錯する。それは、神は2つの書物を書いた——聖書とこの世界だ——というテーゼを思い起こさせる。

 理論と信仰が相反するものではなく、繋がっている地平が見事に描かれた作品。

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