ノンフィクション

「領空侵犯機（アンノウン）が本艦上空を通過する模様、総員戦闘配置！」

　かつての自衛隊員が経験した昭和の頃の実話、だという。日米合同練習の最中に不明な偵察機が、どこからともなく現れる。

　見事な筆致で、緊迫感のある状況を描ききっている。

　短いスケッチであるにもかかわらず、読み手を引きつけ、最後まで読ませ切る。戦闘のそばにいる人々の緊張と、日常が自然と伝わってくる。

　冷戦が終わる間際の、自衛隊の一コマを垣間見ることもでき、非常に興味深い。

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