あまりにも魅力的な言葉が飛び出てくる会話が最高です

社員食堂でいつもまずいラーメンを食べている不思議な男性、鷹山さん。
主人公の永尾千佳は、ひょんなことから鷹山さんを家に泊める羽目になってしまいます。
不意打ち気味に生まれた縁で、千佳は鷹山さんと親しくなっていく物語です。

この小説の魅力は、会話です。
落ち着きつつもほのかに気持ちがよく、揺れる安楽椅子のように楽しめる会話が繰り広げられます。
単に楽しいだけでなく、物語の色を深める役割も持っています。

ラーメン。ラッコ。卵焼き。
登場したワードはしばらくした後に新しい意味が付け加えられます。
その瞬間に物語も新しい動きを見せる。
そのため登場人物たちの発する言葉からはますます目が離せなくなり、注目して読めば登場人物たちが放つ素敵な一言に胸を打たれます。

どんどん彼女たちの言葉に引き込まれていくことでしょう。