欠陥品の僕らのこと

鯵哉

もしもし、

コール音



―――コール音。


お電話ありがとうございます、こちら天使の天塚が承ります。

もしもし、すみません。

はい、今回のご用件をお伺い致します。

そちらで作って頂いた商品に問題がありまして……返品をお願いしたいのですが。

問題を具体的に教えて頂けますか?

欠陥品だったんです。外見は完璧なんですけど、中が。

そういう理由では、お受けできません。申し訳ありません。

え?

では、また何かございましたらお電話ください。

あの、ちょっと、

お待ちしております。天使の天塚が承りました。



―――ツーツーツーツー。





金木犀の香りがする。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る