スラップスティック・コメディが、小説として現代に蘇った!

20話目まで読んでのレビューとなります。

サイレント映画の時代に流行した『スラップスティック・コメディ』は、ドタバタとした喜劇であり、チャップリンの映画を観れば一目瞭然の内容と面白さである。
しかし映画はトーキーに移行していき、ストーリーに重きを置く様になると『スラップスティック・コメディ』は廃れていった……
時代は変わり21世紀の今「0距離キングダム」というこの作品は、新しい『スラップスティック・コメディ』の形を提唱している様に思う。
それも、小説という形で。

サイレントでドタバタやっていて内容が薄かった本来のそれとは違い、小説なので映像が無い分ドタバタも文章で表す事になる。すると必然的に、ドタバタの中にストーリーを組み込む事が出来るようになり『スラップスティック・コメディ』でありながら、ストーリーも作り込めるという、巧みな構造を成している。

ネットスラングなどがいくつか出てくるので、紙媒体であるといちいち説明が必要になる部分もあるのかもしれないが、ここはweb小説発表の場である。
そのような問題は難なくクリアされているので「0距離キングダム」は向かう所敵無しで、どんどん好き放題ドタバタやっていってほしい。
今世間に求められているのは、こういった独自の作品では無いかと思う。

固い文章で書いたが、最後は簡単に言おう。
エイルとアインス、いいぞもっとやれ!

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