第3話
僕と陵がいつも通り雑談していると、1人の男子生徒が僕たちに近づいてきた。
「うん、そうだよ」
彼のニヤけた顔を見ながら、僕が返事をする。
彼は僕が返事をすると、『あはは!』と大げさに笑って、僕の隣の席の机に腰かけた。
「下流階級の人が勉強して意味あるの?」
そしてニヤニヤと笑いながら僕と陵に尋ねた。
彼のネクタイには金色のネクタイピンがつけられている。
つまり、彼はこのクラスで唯一の上流階級の人間だ。
松里 佑丞(マツリ ユウスケ)。
身長は平均くらいで痩せ型。黒髪黒目。上流階級だけあって確かにたたずまいに品はあるが、僕らにはいつも嫌味を言う。
「……分からないけど、頑張ってるよ」
僕が声を振り絞ってそういう。
チラッと陵を見ると、彼は今にも松里を殴りかかりそうな表情をしていた。
しかし上流階級の松里に下流階級の僕たちがそんなことをすれば、どうなるかはバカでも分かる。ここは耐えるしかないんだ。
「そうかそうか。まぁ頑張れよ。いい成績だったら父の会社の下請けの下請けの下請けくらいには入れてやるよ。あるか分からないけどね!」
アハハ、と笑って僕の肩をポンポンと叩いてまた自分の席に戻っていく松里。
こういったことをするのは何も松里に限ったことではない。
中流階級の人間も僕たちにこういった態度をとる。
身分差恋愛 黄色 @kykb_kk
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。身分差恋愛の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます