第2話
ふと自分のネクタイに視線を落とす。
両親が頑張って僕に勝ってくれた、制服。
その制服のネクタイには、銅色のネクタイピンがつけられていた。
これは僕は『下流階級』だということを示す。
1クラス40人のうち、下流階級の人間は2人。そして上流階級が1人。
他は全員中流階級。
学年全体で見ても、下流階級は5人。上流階級も5人だ。
「では、ここまでを明日までに復習しておくように」
教師がそういうと同時に授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
上流階級の生徒が起立、礼、着席、と声を発した。
「今日の授業分かった? 俺全然分かんなかったわー!」
授業が終わると同時に、僕の背中をポンと叩いて、一人の生徒が話しかけてきた。
そして前の席の椅子に腰をかけて、ニコッと笑った。
彼は霜尾 陵(シモオ リョウ)。
身長180cmほどの長身で痩せ型。髪を金髪にしている。
陵はこの整った顔立ちと人懐っこい顔立ちが印象的だ。
……。彼が僕と同じ下流階級じゃなければ、すごくモテてたと思う。
「陵はいつも授業中寝てるじゃん。途中から真剣に聞いても分かんないよ」
「やっぱり積み重ねが大事なんだなー!」
授業が分からなかったことに対して全くショックを受けたそぶりを見せず、また明るく笑う。
「勉強の話してるのか?」
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