身分差恋愛
黄色
第1話 下流階級
静かな教室に、教師がチョークで黒板に文字を書く音が響く。
僕は少しの文字を書くとまた顔を黒板に向け、またノートに視線を落として文字を書く。
僕がまだ中学生の時に近所のお兄さんに譲ってもらったシャーペンは、
もとは鮮やかな赤色をしていたらしい。今は塗装が剥がれて、ただの使い古された汚いシャーペン。
教師が視線を生徒に向け、板書の内容を説明する。
彼のネクタイには金色のネクタイピンがつけられている。
これは彼が『上流階級』の人間であることを示す。
教師は『階級』というランク付けがされてから、上流階級の人々が付く職となった。
上流階級の人間に反抗的な態度を取れるのは上流階級の人間だけ。
しかし上流階級に属する人々は反抗的な態度はとらない。
僕の両親が僕と同じ高校生くらいの頃には、不良と呼ばれる人々が学校に沢山いたらしいけど、今はそんな人は学校にはいない。
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