救いが欲しいだとか甘ったれんなよ

エッセイとか小説を読んで、何か耳障りのいいフレーズだとか、人生が前向きなるだとか、日々の生活が潤うだとか、そんなへぬるい事を仰る方は早々に回れ右をするべきだ。この作品に救いなどない。その予兆などもない。読めば気落ちし目の前が薄暗くなることは間違いない。ただぶちまけられているだけである。しかし、貴方が文学にあるのが「答え」ではなくひたすらな「問い」であることを知るならば、是非とも読んでみてはどうだろうか。

他山の石などではなく、この家庭は間違いなくこの日本のどこかに存在する。それは貴方の隣家かもしれないし、もしかしたら将来あなたが築く家庭なのかもしれないのだ。