解明できぬ罪は、果たしてどう罰するのか

 本作は「刑務所のカウンセラーと囚人の面談」という形で進む。基本的に登場人物は毎回、その話の主人公である囚人とカウンセラーだけだ。そして…この囚人達が毎回、どこかおかしい。ようするに「科学では解明できぬなにか」を秘めた存在なのだ。その上で、声を荒げて叫んだり、物騒な単語や罵詈雑言を喚き散らしたりはしない。ただ淡々と服役中である。そして、皆が残虐犯なのだが…その犯罪や行動の一部が、めくるめくミステリアスなのである。とてもウィットに富んだ、それでいて気持ちのいいもやもやかんばかり残してくれる短編連作…オススメです!

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