この話、ただの食の話だけではない


 異世界ファンタジーになれた人でも、美味しく読める食の話でもあります。
 むしろ慣れ親しんだ単語が並んでいるので、そういうジャンルを好む人ほど楽しく読めるかもしれません。

 異世界ファンタジーの世界で起こりうる事柄が、美味しそうな料理の描写に対する読者の味覚の想像を更に引きたててくれます。

 そして後半。主人公の生い立ちや、人生、考えを読み進めた上で改めてこの食の話を読み進めてみれば、きっとあなたにはそこにある幸せな食卓の姿が見えるようになるはずです。

 あらすじに綴られている様に作者さんの後書きも含めて読むとまた違った話の味方が出来るかもしれません。
 それこそ、本当に作中である登場人物が述べている、美味しい食事の取り方……ならぬ物語の取り方(読み方)なのかも。



 その物語は、人為的に作られた幸福の話。
 ぜひ、前半、後半、後書きを含めて三つの側面からこの食の物語を味わってみてくだささい。

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