第15話



俺は王様に呼ばれたので王宮に来ていた。門をくぐり抜けて、王座のある広間に国中の騎士がズラリと乱れなく並んでいた。


少しだけ気まずくなり借りてきた猫の様になっていた。


「来たかギルティよ」


え?俺なの?何で?ねぇー何で?なんかめっちゃ見られてるよ?人見知りには結構気まずいよ。


「ひ、ひゃい」


ヤベーよ噛んじゃったよ。


「そんなに改まらなくても良いんだよギルティ」


ペルシャフトがフォローしてくれた。神様だわマジで。


「おい!何が起こってるんだよ?」


俺はヒソヒソ声でヘルシャフトに聞いたが。シーンとした状態なのでよく響いた。


「それは、俺から説明しよう」


王様だ。


「ギルティは暴食の魔神の封印が解かれたことは知っているな?」


「ああ。勿論だよ。」


まぁ元凶は俺だからな。なんかごめんなさい。


「それでだ。食料の源と言えるダンジョンには魔物がいる。魔神は魔物の超高等生物なんだ。だから下等生物である下級の魔物はその心臓の鼓動だけで死んでしまうと言う現象が起きているんだ。四百年前にもあったみたいでこれを『ディスピート』と呼ぶらしい。それで食料確保のため我騎士団で最前線に行こうと思う。」


マジっすか。魔神怖。何それ生きてるだけで魔物殺しちゃうの?


何よりごめん。俺が悪いのにね。


「それで俺にダンジョンに行けと?」


「そうじゃない。お前には念のため残っていて欲しいんだ。」


「念のため?」


「そうだ。ディスピートが起こるのは魔神が活性化した時だ。つまりいつ魔神が攻めて来るか分からない。」


「俺ひとりで勝てるのか?意味無いだろ」


「少なくとも俺は信じているよ」

王様カッコよすぎるな。

俺はこう言う言葉にはちょろいのかもな。


「やってやるよ。俺ひとりで駆逐する!」


「その意気だ」


「僕達も出来るだけ速く帰るからね。」


ヘルシャフト君もカッコウィー


「うむ。いいなこれで解散とする」


王様がそういった瞬間騎士団が一斉に行進し始めた。


「頑張れよギルティ!」


ロリ三十路の剣聖が声を掛けてくれた。


「まぁ来ないかもしれないからな。早く帰ってこいよ」


「うん。じゃあ行っくる」


めっちゃ笑顔で言ってきた。

やばい幼稚園児にしか見えない。

興奮しない訳でわなく無く。


「ちょっとまて、ギルティ」


「なんだイケメン王様さん」


「あの場では言わなかったが魔神は絶対に2日後にこの街に来る」


「!?」

なんだと!?


「おい!何でいわなかったんだ?どうするんだよ。罪のない民が死んで行くんだぞ」


俺はつい胸ぐらをつかんで怒鳴ってしまった。


「落ち着け2日後だ。この街が火の海になるのは」


「だか──」


俺は察した。


「そう2日あるんだお前が1人でいけ」


「それは承知した。だがな聞きたいことがある。なんでヘルシャフトやエルシアを連れていかなかったんだ?」


「お前には瘴気に対する耐性がある。だが剣聖や魔帝にはそれがない。例え『憂鬱』の権能があったとしても魔力切れで死ぬぞ?」


俺はこの人にはこの人の考えがあるんだなと思いさっきまでの自分を報いたい。この人はいい王様だ


「じゃあこれからも俺は1人でやるのか」

俺は覚悟した。


「そんなことは無いぞお前は器だつまりお前は因子を取り込めばいい。」


「それと何の関係が?」


「忘れたのか?暴食の権能」


「ん?...はっ!そうか大気中の魔力の吸い取る権能だ。」


「そう、お前が暴食を使えば憂鬱が使えて瘴気に対する耐性が皆に付けられる」


「じゃあ準備してくるよ。」

俺は後ろに歩き出した。


「ギルティ...飲み込まれるなよ」


ん?飲み込まれるな?


「おう」


俺は適当に返事した。

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七つの大罪全ての罪を犯した俺は異世界で無双する 真成 夜初 @yoruha1119

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