何か書けるようになりたくて
ミーシャ
詩
僕だけの
孤独を紛らわす手品が
出来ればいいと思って
足りない心の
欠けた部分を埋める質量を
熱く 胸に抱きしめていたいと願ったから
耐えきれなくなる度 ペンを握った
書き起こしている限り僕は
まだ文字に縋って生きている人間で
言葉の意味とシークエンスの居心地にさえ
不愉快さと焦燥を感じる生物であることを
確かめられた
それは振り返れば
何より得難い証拠のように
僕の記憶になったから
書くことをまだ
やめていないのだろう
他のことに夢中になって
何カ月もペンを捨てた日々があった
いつか 書かなくとも熱を放ち
己の不確かさに
足を取られなくなるような賢慮が
頭に住み付けばいいと思う
それが一番いいに違いない
こんなあがきを形にして
"すべてを描ける訳も無いのに"と
言葉を濁す
だからせめて
文字を澄ませて書いてみるのだ
『僕はここに生きています』と
何か書けるようになりたくて ミーシャ @rus
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