彼の元にふたたびラブレターが?

 正体を現さぬこと陰の如く、
 狙った金品を奪うこと雷の如し。

 あの怪盗XXが帰ってきた。謎も暗号もパワーアップ。十一郎の片想いも、夕風の奇天烈振りも健在。そして今回も、もらった予告状をラブレターだと言い張る十一郎のヘタレぶりが涙を誘う。しかも今回は暗号解読のプロまで登場。
 縦横に張り巡らされた怪盗の罠。まるで導火線のような伏線。謎また謎のストーリーに、ラブコメが挟まり、その合間にさらに謎かけが挿入されているという多重設計。

 今回も楽しませていただきました。そしてなんと、謎かけのうちの一つ、初めて読めました……半分だけだけど。「生き返り」だけ。他は難しすぎる(笑)。

 今回は前作よりも複雑かつ複雑なプロットになっており、話の構造もちょっと凝っている。一回読んで謎が解かれたあとに、もう一度読む楽しみも追加されている。
 果たして十一郎のハッピーエンドはあり得るのか。なんか、無いような気がしてしょうがないんだけど(笑)。 

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