そは神喰い、混沌より生まれし蠱毒である闇の女神
「あの、助けてくださるとして、僕は何をすればいいんですか。そうしてくれるのはあなたにも利があるからですよね」
確かめて置きたかった。この
『買いかぶりじゃ、妾とて嘘をまったく吐かぬわけではない。濫用しては効果をなくすし、むだ遣いはせぬがのう。
今回をいえば不要。そなたに生きのびることができたならば、あらたなる可能性が生まれるやもしれぬ。それにより或る者との縁が生じ、その者はそなたの
ただし、その世界で天寿を
少女はどこまでもあけすけだった。
「もとの世界には戻れないんですか」
そんな予感はしてたけど、そうでないほうがよかった。
『戻れまいな、生身で次元を超えることはできぬ。そのため、肉体は分解されて再構成される。
偶々その過程でチートを得られたりはするが、星辰の
まともに送り返せよう
少女は気の毒そうな顔をする。
『そなたにとっては不幸なことであろうな。それに妾が付け入ることは容易いといえよう。
そなたは己が考えておるより利用価値がある。じゃが、
僕が自分自身の意志で選択しなければならないということか。それはそれで
「僕が生きていれたら誰かと
『人であるともいえるしないともいえる。最初は、そなたが一人でやっていけるようになるまでの扶けになってくれよう。それより更には、
その娘は厄介な
そしてそれは果たせまい。かの娘は女神の生み出した分身であり、真闇から生まれた
「僕に……何ができるんですか。いえ、何かできるんですか」
出来ることなんてせいぜい覗き見くらいしかない。それでも未神様には何かあるのかもしれない。
『妾はそなたを通して運命に干渉する。そなたは妾の目となり耳となれ。
これは命令ではない、妾のたのみじゃ。そもそも承諾して貰えねば、妾には助力するすべがない。
妾は未だならざる神。さしたる関与はできぬ故、おおくのことを求めはせぬ。そなたはそなたのなしたいことをあたうかぎりに
妾は、蠱毒の壺なる混沌より生まれし神喰いである闇の女神エンジュ・ギードゥの後釜として生まれる。
火刑台に
少女は爪先立って、僕の首に腕を回す。
『妾がそなたに与えられるのは、幾つかの
その唇が僕の唇に触れる。頭の中に光が入って来た。
『
眩しさに
『こちらのはじめては何れあらわれる他の者のためにとっておくがよい。妾にも
くすくすと笑い声が耳を
漆黒の
『
災厄は
封印の壺の中で、
悪夢に微睡む。
そが目覚めしとき、
凡ての世界は終焉せん。
されど、一欠片の光の如く、
希望は常に残される。
それ故、それ故にこそ、
女神は殺されねばならぬ』
少女は予言を
『さて、そろそろ別れのようじゃ。
ゆくがよい。
これは夢のようなもの故、ここでのことはあらかた忘れ去られるであろう。
なれど、心の端くらいにでもひっかけておけたなら、そなたの
――忘れたくない。自分の身の安全のためばかりでなく、彼女とのことを忘れたくない。そう思いながら段々意識は薄れていく。
美少女奴隷買いにいったらお金がたりなくて、死にかけのゴブリン娘をおしつけられた 壺中天 @kotyuuten
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