アラフォーのおじさんたちの、恋人同士のような、家族のような、甘いけどどこか煙草の苦さや、珈琲の香ばしさが漂うような。
同じ屋根の下に住む、そんな二人の間にハーフで超絶美人な愛娘を交えて、三人が好きな音楽を奏でて軽やかに暮らす物語。
もう、出てくるアイテム、やっている仕草。どれも、ちゃんと銘柄や注釈なんかもあったりして、とてもリアルに思い浮かべられるうえ、その一つ一つがとにかくカッコいい。ひたすらにカッコいい。
ただ無駄に時間をつぶして生きてきたんじゃない、人生楽しんできたんだろうなと思われる、セレクション。
賭けの商品が、ジェラテリア・テオブロマのチョコレートパフェとか。
もう、そのあたりで、完全に「やられた」と感じました。
かつて、あこがれる年上の男がいたものだ。
自分のテリトリーを持っていて、だが閉鎖的ではなく
右も左もわからないひよっこにウェルカム。
そんな当時の兄貴たちを髣髴とさせる心地よい物語。
酒、音楽、煙草、車、本。色々知ってるんだ。
うわべだけカッコツケテルのもいたよ。
でも、そんなの話をすれば見分けられる。
醸し出すディテール。自分好みのモチーフ。
こちらはそんな男たちに似合うようになりたくて
自分の世界を探し出す。背伸びしてみる。
ツイテクだけなんて冗談じゃないから向こうから惚れられるように。
別に恋絡みじゃなくとも、会話で堕ちる。
なにせエロチカを連想させる、ヒロ・チカだから、ね。