敗れた男の復讐劇? いいえ。そうではないのです

例えば人生をやり直せるとしたら、二度目は上手くいくのだろうか?

物語は主人公であるハンニバルがローマに敗れ、敗走の末に自決するところから始まる。
毒杯を呷り、永遠の闇に沈んだはずだった。
ところが、彼は目覚める。
父の枕元で打倒ローマを誓ったあの日に。

人は愚かで弱い生き物だと私は思う。
愚かであるからこそ夢をみることが出来るし、弱いからこそ知恵を付ける。
けれど、愚かだから間違える。弱いから気付いても糺せない。

人は、独りでは生きていけない。
だから手を取り合う仲間が必要だ。
信じられる朋が必要だ。

ハンニバルは二度目の人生をどう生きるのか。
ローマへの復讐は果たせるのか。

歴史小説は難しくて、という方も多いかもしれない。
歴史の教科書を読んでるみたい?
だけど、ここにあるのは退屈な過去ではない。
若い男の夢と、それを取り巻く魅力的な仲間たちの戦いの物語。
歴史上の人物も、オリジナルのキャラクターも、とても魅力的に描かれている。
私は歴史にはあまり詳しくないけれど、史実もフィクションもすうっと頭に入ってくるように構成されていて、とても楽しめた。

ハンニバルが辿った二度目の人生を。
そして辿り着いた彼の答えを。
あなたにも是非見届けていただきたい。



それからもうひとつ。
作者さまからこらーって言われたらこのコメントは削除するけれど。
私腐ってる、って自覚しているそこの貴女!
ちょーーーオススメだから!
読んでみて(笑)

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