事件の行方も恋の行方も気になって、次々と読み進めたくなるミステリー。

死体に花嫁衣装が着せられている。そしてその死体から心臓が抜かれている、という猟奇的な殺人事件。
いろいろあって検事の久賀丞已と組んで捜査することになった篠塚雅季。
事件の捜査も、二人の関係も、とても丁寧に描かれており、とても興味を惹きつけられます。

久賀さん視点で語られる、雅季さんへの感情。昔何かがあったんだろうなというのが仄めかされているのですが、なかなか踏み込んだことを語ってくれません。それがとてもいい感じに惹かれるように描かれていて、ちょっと切ない雰囲気で、とてもいいスパイスになっています。
そしてストーリーが進むと、久賀さんの従姉妹の晴美ちゃんがある集まりに参加して、そこで知り合った男性と会う話が、時折挟まれるようになります。
それがとても妖しくて、ドキドキと見入るようになります。
それは事件とどうつながるのか。気になってしょうがありませんでした。

そんな風に、事件も人物の関係も、魅力的に描かれた上質なミステリーです。
少しでも興味があったら読んでみてください。読み進めたくてたまらなくなりますよ。