平安時代ならではの恋愛観を体感できる、情緒ある歴史小説です

 源 雅行と少女との出会いをメインに描いた、心温まる歴史恋愛小説です。

 作品の舞台が現代ではなく平安時代となっているため、独特の雰囲気や雰囲気を体感することが出来ます。現代のように電話やメールなどはありませんが、それがかえって作品の世界観を演出していると思いました。

 物語に登場する桜の伝説についても、どこかミステリアスな雰囲気を感じます。桜を中心した若い男女の心の揺れ動きが、とても繊細かつ丁寧に作者さまは表現しています。

 そして友達思いの親友 惟憲や謎が多い翁・突然現れる雅行に似た謎の男……などなど、主人公以外にも魅力的な人物が多数登場します。

 はたして雅行は少女の「桜が見たい」という願いを、無事叶えることが出来るのでしょうか? 連載中の作品なので、一読者として結末がとても気になります!