源 雅行と少女との出会いをメインに描いた、心温まる歴史恋愛小説です。
作品の舞台が現代ではなく平安時代となっているため、独特の雰囲気や雰囲気を体感することが出来ます。現代のように電話やメールなどはありませんが、それがかえって作品の世界観を演出していると思いました。
物語に登場する桜の伝説についても、どこかミステリアスな雰囲気を感じます。桜を中心した若い男女の心の揺れ動きが、とても繊細かつ丁寧に作者さまは表現しています。
そして友達思いの親友 惟憲や謎が多い翁・突然現れる雅行に似た謎の男……などなど、主人公以外にも魅力的な人物が多数登場します。
はたして雅行は少女の「桜が見たい」という願いを、無事叶えることが出来るのでしょうか? 連載中の作品なので、一読者として結末がとても気になります!
平安の時代、一人の独身貴族が一人の女性のために桜の花を巡って、奔走する物語。
主人公はある日、ひょんなことから一人の心優しい女性と出会う。その女性は伝説上の桜の花を見たいと願っていた。主人公は女性の願いを叶えるために、友人とその桜を探訪すべく動く。
しかし謎の翁の登場や、主人公の心の揺れによってその桜にはなかなかたどり着くことができない。
この時代であれば、「花」と言えば梅だろうが、この作品では桜が中心になっている。言葉も現代風で、衣装や物の記述以外はとても分かりやすかった。時代物が苦手な小生でもスラスラと読みやすい作品。
一途な冴えない貴族の主人公と、女性の関係性が桜を通して変化していくのが、情景的でした。
時代モノ好きな方はもちろん、そうでない方にもお勧めです。
是非ご一読ください。