最初に一回読み終わりますと?マークの中にある温かさなのか寂しさなのか理解できない感情に戸惑い再読。読み返すと序盤の文章に隠された感情に気付かされました。
主人公と幼馴染の短編ですが、読み返す度に完成度の高さに感心させられる作品です。実は私のノートに「おすすめ作品ですよ」と教えて頂き、拝読した経緯なのですが、その気持ち凄く分かります。この作品を他の方々はどう思われるのか。他者様のレビューを読むのがこんなに楽しい事はありませんでした。
とても素晴らしい作品ありがとうございます。
そして、勧めて下さった方にも感謝です。
雨には不思議な力がありますよね。厳密に言えば水が魅力を引き出すようにも感じます。古代ギリシャ哲学者タレスは「万物の源は水である」といった台詞を思い出します。
もう、涙が止まりません!
可愛く始まる短いお話ですが、その綿密で繊細な表現はお見事の一言。
ストーリーの練り込みも素晴らしく、過去と現在、そして昨日と今日の時間の使い方が巧みで物語の奥行きが広がっていきます。
と、文章、そして構成の素晴らしさも枚挙にいとまがないのですが、なによりストーリーが……、おお、また涙が。
これはなんとも、グッときます。
力強いほどの優しさが、壊れかけた一つの心をそっと救い上げる。みっともない傘でもって。不格好な長靴姿で。
そのかっこよさ、まっすぐさに心が震えて……、ああ、また涙が。
ファンタジックで不思議な空気と、現実的な物語の親和が素晴らしかったです。
素敵な時間を過ごすことが出来ました。ありがとうございました!
本作品を一読したとき、押し寄せる感情の波が何なのかは、すぐには理解できませんでした。
とにかく一文一文に込められた想いが切なかったり、どこかノスタルジー的な雰囲気もあり、そこに神様の飴という表現が、ただの雨のシーンを情緒溢れるものに仕上げられています。
この話、ずばり完成したパズルからあえてピースを一枚抜いた作品だと私は思います。
どんなピースを抜いたかは、読者によって捉え方が変わるかもしれませんが、私は恋愛のピースをあえて抜かれてるのではないかと思いました。
だからこそ、残された『幼馴染み』という特殊な関係が際立ち、二人だけが知りうる世界で、成長とともに変化していったお互いの感情の切れ端をぶつけあうという形になったのではないでしょうか。
とにかく一文一文が非常によくできていて、決して明るいとは言いがたい設定ですが、なぜか最後は心地よい読後感もありました。
おそらくは、あえて抜いたピースを読者にはめさせることで、今後の二人をどう想像するかの自由を読者に与えられているからだと思います。
感情を刺激してくる、とても良質な作品です。ぜひみなさまも一読されてみてはいかがでしょうか?
雨が上がった後の二人がどうなるか、想像してみるのも面白いですよ!!
雨の降る日、幼馴染と「神様の飴」を探しに行った。
もう、二人とも大きくなっていて、雨空を見上げても飴が降ってくることはないと分かっているはずなのに。
無駄のない端正な描写から、雨の日の風景や感触が浮かび上がります。
そして千紗の「神様の飴を探す」想いや、将行の想いが胸に迫る。
けれども読後は切ないながらも柔らかな爽やかさが残るのです。
その飴は、魔法はないかもしれない。しかもあんまり甘くないし、結構刺激もある。
けれども深い優しさに満ちていて、そっと寄り添い、支えてくれる。
雨の音を聞きながら、じっくり味わいたい作品です。