★★★ Excellent!!! 烏翠、その堅牢なる籠 0516 守るべきものは、人それぞれなのだろう。この外伝に出てくる貴公子、光山弦朗君には、はたしていかほどの痛みが、苦しみが、これまでに振り掛かってきていたのだろうか。 「翠浪の白馬、蒼穹の真珠」本編にては、あくまで「よそもの」からの眼差しでしか知ることができなかったくに、烏翠。それが、他ならぬ当事者の目を通して語られる。そんなん歴クラ狂喜乱舞、である。 人為甚だ凶猛なる王、王のそばで、“断罪”をなす若き宰相、呉一思。うごめく悪意に、それでもなお気高く立つ弦朗君。 レツィンを暖かく見守るその眼差し、その強さの理由を目の当たりとさせてくれる好編である。また同時に、烏翠に重くのしかかる影、その濃さをも痛感させられる。 レビューいいね! 1 2018年11月24日 23:42
★★★ Excellent!!! こんな魅力的な人たちが脇を固める本編を、読んで! 崩紫サロメ 主人公だけでなく、その周りを固める人物に魅力があるのが、面白い話だと思います。 しかし、あまり色々な人物のことを描くと、ブレてしまうのが物語の常です。 それを解決するのが「外伝」です。 前置きが長くなりましたが、これは、『翠浪の白馬、蒼穹の真珠』という長編小説の外伝です。 本編を読んだ人は迷わず読んで下さい。 絶対面白いです。あの事件をあっち側から見ているからです(←概要をご覧下さい) が、本編を読んでない人にはどうしたらいいのでしょう? やはり、読み返してみましたが、「先に本編を読んで下さい」というタイプの外伝だと思います。 でも、私が言いたいのは1行目です! この外伝に出てくる、弦朗君という人は、間違いなく主役クラスの人物です。 部下思いな上司でありながら、王族としてとても重いものを背負っています。 そして、宿敵感溢れる呉一思という悪そうな男……! こんな人々が控えており、作者もいずれ弦朗君主役の話を書きたい、とエッセイを書いておられました。 ええ!書いて下さい!!! ということで、本編未読の方、まずは本編を読んでみて下さい。 本編に「上司」や「友人」として出てくる人物が、物語を進めるための駒ではなく、作者の深い愛情によって造形された、血の通った人間であることを感じながら―― きっと、ここまで来たくなるはずです。 レビューいいね! 1 2018年3月3日 19:34
★★★ Excellent!!! 情厚き弦朗君を見よ 湯煙 本編で格好良かった弦朗君ですが、外伝でも格好良さに磨きがかかっています。 立場と情で板挟みの中、周囲への被害を極力大きくせぬよう情を貫く。立場を考えると甘いと言いたくなる点もある。でもそれが弦朗君なのでしょう。 苦労続きの弦朗君。彼の未来が輝かしいものになれば嬉しいなあ。 レビューいいね! 1 2017年7月20日 22:35