四季


 春


 満開の桜の下に立つ貴女

 風が吹いて 花弁が舞い散る

 こっちを振り向き貴女は微笑んだ

 長い髪が風に靡いて美しい

 桜もまた春の色を輝かせている

 

 来年の春も

 また貴女に会えるだろうか


 夏


 線香花火

 ぱちぱちと火を散らす

 貴女の浴衣姿に目を惹かれ

 大空には星が広がっている

 

 来年の夏も

 また貴女に会えるだろうか


 秋


 紅葉の山

 秋風が頬を撫でて芒を揺らす

 満月を眺める貴女は

 どこまでも澄み渡って際立っている

 

 来年の秋も

 また貴女に会えるだろうか


 冬


 雪の朝

 貴女は七輪に手を翳し

 私もまた同じく手を翳してる

 吐く息は共に白い

 雪は静かに降っている

 

 来年の冬もまた貴女に会えるだろうか

 

 貴女は四季に生きる

 季節を感じて生きている

 自然を纏って生きている

 

 また来年

 また来年

 私は貴女に会えるだろうか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る