FFBEの歩き方

トラマラについて

　FFBEの最大の売り（だと勝手に思ってる）である、『トラストマスター報酬』というシステムがあります。これは簡単に言いますと、そのキャラ特有の装備だったりアビリティだったりをもらえる、というものなんですが、どれも強力です（FFシリーズでおなじみ、エクスカリバーもこれです）。すぐ欲しい。すごく欲しい。でもそこはやはり、良いものはすぐには手に入らないのが世の常。『トラスト値』という数値を100％にしなくっちゃあいけないわけです。では、どうやればこの『トラスト値』を上がるのかと言いますと、モンスターと戦闘することです。戦闘終了後に、運が良ければ0.1％上昇します。運が良ければ。そう、上がるかどうかは完全に運（ランダム）です。それが100％になってやっとゲットできるんです。

　長くそのキャラクターと冒険を共にすることによって得られる報酬、ということで設定されていたんでしょうが、もうすでにお察しの通り、それには落とし穴があったのです。

　――トラスト値がとにかく上がらない――

　のです。ランダムで0.1％上がり、『トラストマスター報酬（以下トラマス）』をゲットするのに必要な数値は100％なので、超最短で1000回戦闘をすれば良いわけですが……。まずそれはありません。100体力があったら、1％上がれば良い方です。つまり、およその目安として『トラマス』をゲットするには100×100で10000回戦闘をする必要があるわけです。ぶっちゃけ、今配信されているストーリーを全部クリアしたとしても、10000回戦闘はしないと思います。つまり、どういうことかと言うと、

　――普通にゲームをプレイしていたら、トラマスは手に入らない――

　ということにほとんどのプレイヤーさんが気づいたのです。でも、『トラマス』はどのキャラクターのものも普通にプレイしていたら手に入らないような、レア度の高いアイテムばかりです。やっぱりすぐ欲しい。すごく欲しい。

　――だったら走るしかない――

　というわけで、ほとんどのプレイヤーが何かに導かれるように、一番消費体力と戦闘回（WAVE）数の少ない最初のダンジョン、『土の神殿（入口）』を周回（マラソン）するようになりました。

　これがトラストマスターマラソン、略して『トラマラ』とプレイヤーの間で呼ばれるようになりました（一部では神殿参拝とも）。もちろん、公式には推奨はされていません。しかし、今ではこの『トラマラ』はこのゲームのメインコンテンツと言っても過言ではありません。

　昨今のアップデートにより、トラモグやらチョコボ探索やらで『トラマス』をゲットするのにかなり緩和はされましたが、この『トラマラ』は恐らく、メインコンテンツであり続けるでしょう。

　正直、この『トラマラ』の過酷さに耐え切れず、辞めていったプレイヤーもいるかもしれません。でも、私はこう考えます。

　――努力は報われるということを教えてくれる――

　と。そのキャラクターと信用を積み重ねれば、裏切られることなく、必ず報酬を得ることができるのです。たとえ『トラスト値』が上がらなくても、次はきっと！　という希望を失うことはありません。

　現実の世界では、こうはいかないかもしれません。信用は得難い、というところは似ていますが、失うのは容易いのですから。　

　それでも頑張ったら頑張っただけ、強くなれる。こんな少年心をくすぐる要素も、FFBEの人気が高まっている要因の一つではないかな、と個人的には思っています。そして、まるで昭和時代に、メンコやベーゴマを自慢しあっていた少年たちのように『トラマス』をモリモリ付けたキャラクターを見せ合うのです。

　古き良き時代が、世代を超えて今、甦っているのではないのでしょうか。