概要
不条理―人生に何の意味も見いだせない人間存在の絶望的な状況のこと
溜池の橋の上で、おっさんは仰向けで空を見上げたまま、ミミズのようにひき逃げされていた。
干からびた死体と化したおっさんの姿を、僕は十四年前にも見たことがあった。その時抱えたトラウマに引きずられるように溜池に通ううち、溜池に石を投げ込んでいる女の子と、新たなおっさんの姿を目撃する――
干からびた死体と化したおっさんの姿を、僕は十四年前にも見たことがあった。その時抱えたトラウマに引きずられるように溜池に通ううち、溜池に石を投げ込んでいる女の子と、新たなおっさんの姿を目撃する――
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★ Good!どこまでがリアリティなのか
まずは、「ひとり1つの最高傑作」企画への参加、ありがとうございます。
ミステリ、と言っても今ではどこからどこまでがミステリなのか分からないくらいに広い幅で書かれています。この小説も、ミステリとは言っても読者に推理させる気はないようです。
私は以前、「名探偵」の名を冠した小説を読んだのですが、まるでトリックだけがまるで現実的でない、ファンタジーな凶器を用いて殺人を行っていたことに、ほとんど怒りを感じたことがあります。こっちは推理したくて探偵小説を読んだのに、こんなの分かるはずがないじゃないか! 下手に理屈をこねて現実味を持たせてはいるが、結局魔法で殺したようなものじゃないか!と。
で…続きを読む