茜空と先輩。

六月三十日（金）晴れ☀

空良（そら）先輩の目が、覚めた。

梓（あずさ）先輩が、SHRが終わったときに教室に飛び込んできて教えてくれた。

梓先輩と一緒に病院に行ったら、空良先輩が私を見てくれて。

ただただ嬉しかった。

おかえりなさいって言ったら、ただいまって返ってきて。

空良先輩の笑顔は本当に温かくて。じんわりと触れてもいないのに心を温めていって。

あ、太陽だ。

そう思った。

気がつけば写真を撮っていて。

よく飽きないねって。

日課ですからって答えたら、そっかって。

これからも日課にしていいですか？

そう訊いたら、ご自由にって返ってきて。

今日、入部届出しますよ、空良先輩の後輩になりますって伝えれば、じゃあ、これからも一緒にいられるねってまた笑ってくれて。

そのあと、退院したあとに、一緒にどこかへ写真を撮りに行く約束をした。

空を何度か撮ってから、一週間後の七夕に、天の川を見る約束までした。

晴れるといいなあ……。きっと、晴れるよね。

好きって伝えられるのはもう少し先になりそうだけど、絶対に伝えるから。

だから、それまでも、そしてそれからも、晴れな笑顔でいてくださいね？　空良先輩。

最後に。

長い長い梅雨があけて、今日の「そら」は、雲一つない、蒼い蒼い「そら」でした。