作者の前作「人虎探偵 相賀赫真」は人に交じってワータイガーの暮らす世界を舞台とした探偵ハードボイルド小説でしたが、今作はよりハードに、そしてよりスリリングな世界観の伝奇サスペンスに仕上がっています。
もうね、「鬼」と人間とが暮らす東京の暗部を舞台に、「闘仙」が鬼と人との狭間で活躍する――これだけでだいぶたまらない上に、作者の確かな筆致がそれを実に魅力的に、そして臨場感たっぷりに描き出します。
北区=鬼多区とか、新宿と書いてフルヤド、鬼と人間とがもっとも多く接する無法地帯とか、そうした言葉遊びにもニヤリとさせられるし、なにより見せ場のかっこよさ! ケレン味にあふれる設定と台詞とあいまって、サスペンスフルな展開から一気に空へ抜けるような爽快感があります。
いやー面白い。わくわくしながら読み進めています。
完結したとのことですので、最後まで楽しませていただきます。
「中華ファンタジー読みてぇ! というか仙人とか道教ファンタジー読みてえ!」という時に、仙人タグに引き寄せられて手にとった本作。
神秘が復活し、様変わりした魔都東京を舞台にした現代伝奇で、そこにおわすは倭(やまと)仙術を使う闘仙クヌギ。探していた道教世界の神仙ではないけれど、伝奇バトルを描き出す筆致には確かな実力が! こいつはおもしれえ!
わりと貪欲に並べられた種々のヒロインと、それにも負けぬ独特の味わいがある男衆。プロローグから登場するミタチさんがメインヒロインと言っていいのでしょうが、自分はマジモンの聖人・碧川先生も推したいですね。ほら、聖人ってエロいじゃないですか(冒涜的発言)。
でも一番可愛いのはミタチだと思います。変なの食べたらぺっしようね!